1. 予想の概要
Layerglassでは、過去の鶏卵相場、季節性、需給関連データ、各種外部指標に加え、 業界の常識であるエッグサイクルや供給反応の遅れも意識して、機械学習モデルで今後の月次相場を予想しています。 毎月最新データを反映して更新し、過去の予想実績も継続して公開しています。
- 予測対象は、全農たまご株式会社が公表する東京M基準の月次平均相場です。
- 過去相場、季節性、需給関連データを組み合わせています。
- 飼料、天候、鳥インフルエンザなどの外部要因も考慮しています。
- 業界の常識であるエッグサイクルも織り込んでいます。
- 機械学習モデルで予想し、毎月最新データに更新しています。
- 過去の予想実績も継続公開し、透明性を重視しています。
2. 鶏卵相場とエッグサイクル
鶏卵相場を月ごとに長い期間で見ていくと、毎年おおよそ似た動きが繰り返されていることが分かります。 需要の山谷、暑熱の影響、需給の締まりや緩みなどが重なることで、上がりやすい時期と下がりやすい時期が、 ある程度くり返し現れます。
一方で、鶏卵相場は単なる季節要因だけで動いているわけではありません。採卵鶏は導入してすぐに産卵量が増えるわけではなく、 育成、成鶏化、産卵、淘汰までには時間がかかります。そのため、相場が高いときの増産意欲や、 相場が安いときの導入抑制・淘汰の影響は、数か月遅れて供給に表れます。
業界では、このような季節的な繰り返しに加え、導入・育成・成鶏化・淘汰までの時間差によって需給が遅れて動く構造が広く意識されています。 Layerglassでは、こうした鶏卵特有の循環構造をエッグサイクルとして重視し、 「何がどのくらい遅れて効くか」を意識して予想しています。
過去卵価に見られる1年の傾向
東京M基準の月平均データ(1993-01〜2026-03)をもとに、月から次の月への上がりやすさ・下がりやすさを集計し、 特徴が強い時期を色で示しています。毎年必ず同じ動きになるわけではありませんが、長期で見ると、 相場が上がりやすい時期と下がりやすい時期には一定の傾向があります。
3. なぜ機械学習を使うのか
鶏卵相場は、完全にランダムに動くわけではありません。季節性やエッグサイクル、需給反応の遅れなど、 毎年ある程度くり返し現れる動きがあります。一方で、実際の相場は、過去の価格だけで決まるものでもなく、 需給の変化、導入や淘汰の動き、飼料、天候、鳥インフルエンザなど、複数の要因が重なって動きます。
こうした相場を考えるうえでは、業界の経験則は非常に重要です。ただ、実際には「どの要因が、どの時期に、 どのくらい効くか」は毎年少しずつ異なります。機械学習は、そのような複数の要因を同時に扱いながら、 過去データの中にあるパターンや効き方を整理するのに向いています。
Layerglassでは、機械学習を人の経験や業界知見と対立するものとしてではなく、それらを整理し、 毎月のデータに落とし込んで確認するための手段として使っています。エッグサイクルのような業界で広く意識されている流れも踏まえながら、 過去相場、季節性、需給関連データ、外部指標などを組み合わせて予想しています。
もちろん、機械学習であれば何でも正確に予想できるわけではありません。鳥インフルエンザの大規模発生や急な需給変動のように、 過去と異なるショックが起きた場合には、予想と実績が大きくずれることもあります。そのためLayerglassでは、 モデルの精度だけでなく、過去実績の継続公開やバックテストによる検証も重視しています。
- 鶏卵相場には、季節性やエッグサイクルなど、一定の繰り返しがあります。
- 一方で、相場は複数の要因が重なって動くため、単一の経験則だけでは捉えきれないことがあります。
- 機械学習は、複数の指標を同時に見ながら、過去データの中のパターンを整理するのに向いています。
- Layerglassでは、業界知見と機械学習の両方を踏まえて予想しています。
4. 使用しているモデル
Layerglassでは、モデルを単一の考え方で固定するのではなく、時期や対象に応じて複数の構成を比較・検証しています。 現在の公開モデルの基軸は、月次の再帰予測を行う Ridge 系の線形モデルです。過去の価格推移、季節性、需給関連データ、 外部指標などを組み合わせて、月次相場を予想しています。
線形モデルは、季節性やラグの効き方が比較的なめらかな場面で、相場全体の傾向を整理しやすい特徴があります。 一方で、急な需給変化や複雑な反応を捉えるために、LightGBM などの非線形モデルや、 複数モデルを組み合わせる構成も比較しています。
- 現在の公開モデルの中心は、Ridge 系の再帰予測です。
- 非線形モデルも比較しながら、よりよい構成を継続的に検証しています。
- 将来情報が混ざらないよう、その時点で利用可能な情報だけで学習と評価を行っています。
- 採用判断は、時系列順のバックテストを通じて行っています。
5. 使用している特徴量
鶏卵相場を月単位で見るときは、単月の値だけでは十分ではありません。鶏卵相場は、直近の価格動向だけでなく、 少し前から遅れて効いてくる需給要因や生産要因の影響も受けやすいためです。Layerglassでは、 「直近の相場」と「少し前から効いてくる要因」の両方を見ることを重視しています。
そのため、現在の公開モデルでは、過去相場のラグ、季節性、需給関連指標、生産・導入に関係する指標、 他市場との価格差、外部要因などを組み合わせています。特徴量は固定的に決めているわけではなく、 時系列順の比較を通じて、実際に予想に効くものを残し、効きにくいものは外す形で見直しています。
主に見ている特徴量の種類
過去の相場データ
東京M基準などの過去相場を土台にします。相場水準そのものに加え、少し前の価格や、季節から見たずれも重視しています。
季節性の特徴
月ごとの繰り返しを表す特徴を使い、年間の波を捉えます。1月後の戻りや夏場の弱さなど、月次特有の動きを整理するための特徴も比較しています。
需給・流通に関係する指標
東京到着量や1人当たり消費量、輸入・輸出など、需給の引き締まりや緩みを示す系列を見ています。単月値だけでなく、数か月遅れて効く形も比較しています。
生産・導入に関係する指標
ひな導入、育成、成鶏化に関連する系列をラグ付きで扱い、エッグサイクルにともなう供給反応の遅れを捉えます。
他市場や構造を表す指標
名古屋や大阪など他市場との価格差、農場構造や飼養規模に関係する指標も比較し、相場の位置関係や構造変化を補助的に見ています。
外部要因
気温などの天候要因、鳥インフルエンザのような供給ショック要因、飼料関連のコスト環境など、需給に影響しうる外部指標も候補に含めています。
ラグ・差分・移動平均
相場や需給要因は遅れて効くことが多いため、当月値だけでなく、数か月前の値、前年差、移動平均や平滑化系列も重視しています。
現在の公開モデルで重視している軸
現在の公開モデルでは、東京到着量のラグ、1人当たり消費量のラグ、ひな導入に関係する平滑化系列、農場構造を表す指標、 他市場との価格差、2月の戻りや初夏の弱さを表す季節特徴、時間トレンド、月次の季節特徴、 そして季節からのずれを表す相場特徴などを組み合わせています。直近の相場だけではなく、 「何がどのくらい遅れて効くか」を見にいく構成を重視しているのが特徴です。
試しているが、常に採用されるとは限らない特徴量
特徴量は最初から決め打ちしているわけではありません。季節ルール、価格ラグ、月遷移の事前傾向、輸入・輸出、 成鶏関連指標、他市場スプレッド、天候指標、鳥インフルエンザ関連特徴なども幅広く比較してきました。 ただし、意味がありそうに見える特徴でも、時系列バックテストで安定して改善しないものは採用しない方針です。 Layerglassでは、「説明しやすい特徴」よりも、「将来予測で実際に効く特徴」を残すことを重視しています。
6. 予想の作り方
Layerglassでは、相場、需給関連データ、外部指標などを毎月更新し、月次予想に使える形へ整えています。 そのうえで、季節性、価格ラグ、移動平均、需給や外部要因のラグなどの特徴量を作成し、 複数のモデルで比較・検証を行います。
採用判断は、将来情報を使わない時系列順のバックテストにもとづいて行い、確認後に最新予想を更新しています。 過去に公開した予想と実績の比較も継続して公開し、透明性を重視しています。
7. 更新頻度
予想は、毎月の最新データを反映したあとに更新します。更新タイミングは各データの反映状況によって前後することがありますが、 基本的には月次データがそろった段階で見直しています。
- 毎月、最新データ反映後に予想を更新します。
- ページ上部の「最終更新日」に、直近の更新日を表示します。
- 大きな仕様変更やモデル見直しがあった場合は、この説明ページの内容も更新することがあります。
8. 過去実績の見方
公開ページでは、過去に出した予想と、その後に確定した実績を並べて見られるようにしています。 これにより、「当たっていたかどうか」だけでなく、どのくらい前に出した予想がどの程度ずれやすいかも確認できます。 一般に、先の期間を予想するほど難しくなるため、予想時点ごとに分けて見ることが大切です。
まず見るポイント
実績と予想の差を見る
各月について、実績と、1か月前・3か月前・6か月前・12か月前に出した予想を並べて確認できます。
どの時点の予想が近かったかを見ることで、予想の特徴が分かります。
予想した時点の違いを見る
一般に、実績に近い時点で出した予想ほど当たりやすく、先の時点で出した予想ほど誤差は大きくなりやすくなります。
1・3・6・12か月前を分けて見ることで、予想期間ごとの難しさを比較できます。
表示期間を切り替えて見る
12か月分・24か月分・36か月分を切り替えることで、直近の見え方だけでなく、少し長めの期間で安定しているかも確認できます。
凡例で表示を切り替える
グラフ上の凡例を押すと、その系列の表示・非表示を切り替えられます。見たい予想時点だけを残して比較することもできます。
指標の見方
MAPE
MAPE は、予想が実績から平均して何%ずれていたかを表す指標です。数字が小さいほど、平均的には実績に近い予想だったと読めます。
MAE
MAE は、予想が実績から平均して何円ずれていたかを表す指標です。MAPE が割合の見方なのに対して、MAE は値幅でのずれを見たいときに使います。
Layerglassが実績を公開する理由
過去実績を継続して公開しているのは、良かった月だけでなく、難しかった月も含めて予想の特徴を見てもらうためです。 どの場面で当たりやすく、どの場面でずれやすいのかを利用者側でも判断しやすいように、継続公開を重視しています。
9. 注意事項
本予想は、公開データ等をもとに独自に推計した参考情報であり、将来の価格を保証するものではありません。 特に鶏卵相場は、鳥インフルエンザや急な需給変動など、平時の循環から外れる要因の影響を受けやすい市場です。 そのため、予想と実績が大きく乖離する場合があります。
ご利用にあたっての注意
- 本予想は参考情報であり、将来価格を保証するものではありません。
- 鳥インフルエンザ、大規模な需給変動、制度変更などがある場合は、大きく乖離することがあります。
- 最終的な判断は、利用者ご自身で行ってください。